芸術家(パブリックアート・スペシャリスト/ 彫刻家 / 画家)
全米具象彫刻協会会員
NYハーストタワー修復プロジェクト(21世紀初NY市認定ランドマーク)芸術監督
米国ホロコースト・メモリアル制作プロジェクト総合芸術監督
富山県富山市出身。武蔵野美術大学卒業後、2001年よりニューヨークを拠点に国際的に活動。渡米直後に起こった9.11同時多発テロの遭遇体験から、「愛」と「平和」を伝える作品を発表し続けている。制作テーマは初期より一貫して「宇宙生命のつながり。」活動コンセプトは、「ART FOR ALL - すべての人にアートを。」
2013年、NY市の野外彫刻コンペで選抜された代表作『ラバーズ(恋人たち)』がきっかけとなり、NY近郊の都市開発に関わり始めた。2017年、ハーバード大学で「現代都市とパブリックアートの理想的な関係」を研究し、都市デザインの単位修得。
2018年、米国天然石研究所で建築・芸術石材に関する専門知識を学び、天然石を用いたサスティナブル・アート(設置後を考慮した公共芸術)を富山市などに提案。同年、米国ホロコースト・メモリアル記念彫刻庭園をNJ州イングルウッドに完成。2019年、イタリアのカッラーラで富山駅モニュメントを制作し、2020年に設置。2023年、奥田神社へイザナギ・イザナミ御神体奉納。2024年、宮城県曹洞宗龍淵寺の『霽月』供養塔に、大理石の胸像『Gratitude(感謝像)』を設置。
新型コロナのパンデミックで日本に足留め中、地方行政に公共芸術の維持管理予算がないことを知り、支援するためのエシカル商品(ノンアルコールワイン・日本酒・ウイスキー・チョコレート・和菓子・エコバッグ)などを地元企業とプロデュースしている。2024年、スパークリング酒『ラバーズXO』は、世界最大の日本酒コンペ(IWCロンドン)で金賞を受賞。芸術を通しての地域社会貢献と、生涯教育・生涯学習を推進・実践している。
建築・音楽・舞踊・映像・ファッション等様々なジャンルとのコラボレーション、着物デザイン、執筆、講演を行なっている。
*主な推薦団体:
ニューヨーク・メトロポリタン美術館
国連本部エキシビション部
ニューヨーク市建設部
全米具象彫刻協会
国際女性作家協会
*主なパブリック・コレクション:
2024年 宮城県龍淵寺供養塔『Gratitude(感謝像)』
2023年 富山市奥田神社 『イザナミ・イザナギ』御神体
2020年 富山駅モニュメント『ラバーズ』
2018年 米国ホロコースト・メモリアル記念庭園
2018年 イングルウッド・モニュメント(NJ)『歴史の本を読む子どもたち』
2016年 テリータウン・モニュメント(NY)『ハドソン川の主』
2015年 エッジウォーター・モニュメント(NJ)『眠る人魚像』
2014年 リバーサイドパーク・モニュメント(NY)『ラバーズ』
2011年 富山県警察学校『救い』
2011年 富山赤十字病院『愛』
*主な受賞歴:
2013年 ASL x NY市 M2Mパブリックアート・グラント
2008年 ASL エドワードマックドーウェウル欧州留学賞(NY)
2006年 P&B 国際女性作家協会彫刻名誉賞(NY)
2004年 全米具象彫刻協会新人賞(NY)
2003年 ASL メリット奨学金(NY)
1999年 武蔵野美術大学奨学金(東京)
*主なパートナーズ:
ナショナル・リソース(米国)
フリン・ストーン(米国)
コペラティバ・スクルプトーレ(イタリア)
ゼネラルストーン株式会社(富山)
株式会社東洋(宮城)
北電産業株式会社(富山)
富美菊酒造株式会社(富山)
靖山画廊(東京・ニューヨーク)
日本通運美術品事業部
ヤマト運輸株式会社海外美術品支店
西濃スーパーエクスプレスUSA
日本美術著作権協会
略歴:
JTB在職中、出張先のローマでミケランジェロに感銘を受け、働きながら武蔵野美術大学で油絵とグラフィックデザインを学ぶ。2001年単身渡米。直後に起こった9.11同時多発テロを間近で体験し、その後の活動に大きく影響を受ける。 NYの美術大学スクール・オブ・ビジュアルアーツでアート概念を学びながら、美術解剖学を学ぶ目的で通い始めた美術学校アート・スチューデンツ・リーグで、巨匠イサム・ノグチの助手を務めた彫刻家・斎藤誠治と出逢う。斎藤の勧めにより2002年から石彫刻をはじめ、初めて彫った大理石トルソーが、彫刻科優秀賞を受賞、美術コレクターの目に留まり買い上げられた。同時に奨学金コンペで受賞し、以降12年間斎藤に師事、具象では困難とされている直彫りを習得。
2004年、全米最古の彫刻協会・全米具象彫刻協会より、911同時多発テロ追悼碑を含む『平和のためのシリーズ』にて新人賞受賞。2005年、国連NGOアース・ソサェティ表彰式にて詩と絵画『地球と人類』を発表。2006年、黒大理石彫刻『目覚め』で、国際女性作家協会(1894年設立)より日本人初の彫刻名誉賞受賞。2008年、人類の環境破壊を警告する大理石彫刻三部作『地球のためのシリーズ』によりエドワード・マックドーウェル欧州留学賞受賞。翌年、ミケランジェロの彫刻を学ぶためイタリアへ留学、パリでロダンの塑像を研究した。
2011年、東日本大震災の鎮魂と復興を願い大理石彫刻三部作『祈りのシリーズ』を完成。2013年3月11日、在NY日本国領事館にて個展『祈り』を開催。2012年より、母校アート・スチューデンツ・リーグで助教を務める。2013年、NY市の野外彫刻コンペで選抜され、翌年、マンハッタンのリバーサイド・パークに日本神話のイザナギ・イザナミを題材とした345センチ高のモニュメント『ラバーズ』を完成。以降、積極的にパブリックアートに取り組む。
2015年、『眠る人魚像』(全長2.5メートル)を制作。素材に選ばれたブルーストーンは、大掛かりな彫刻には不適切と言われ、世界初の試みであったが、周囲に困難と言われながらも成功させ、NJ州エッジウォーターに設置。同時に、『ラバーズ』を隣接するピアに移設、恒久設置となった。2016年、全長4メートルのブルーストーン彫刻に挑戦し、NY州のシンボルフィッシュを題材に、ハドソン川に住む古代魚のモニュメント『ハドソン川の主』を完成。NY州テリータウンに設置。
2018年、米国ユダヤ人コミュニティより依頼を受けて『ホロコースト記念彫刻庭園(子ども達のためのホロコーストメモリアル)』を完成。NJ州イングルウッドのシナコーグに設置した。庭園中央には、石彫刻『歴史の本を読む子ども達たち』を設置。ユダヤ人以外のアーティストによる世界でも珍しいホロコーストメモリアルで、『芸術によって、国籍や人種や宗教の垣根を超越したい』と願う、吉野芸術の本質に迫る作品となった。
同2018年、富山駅モニュメント設置委員会より制作依頼を受ける。ミケランジェロもこよなく愛した大理石の聖地イタリア・カッラーラに渡り、二体目の『ラバーズ』(原石25トン、彫刻本体10トン、台座を含めて545cm)を制作。大作につき、コンピューターやロボットの使用を強く勧められたが、吉野はそれらを一切拒否した。そして最後まで「人の手から生まれる有機的な形」に拘り、伝統的なイタリアの石工職人たちと「手彫り」で完成させる。
2019年12月、カッラーラ港を出発した大理石モニュメント『ラバーズ』は、サウジアラビア・シンガポール・釜山を経由し、富山新港まで2ヶ月半かけて海上輸送。2020年3月、富山駅北のブールバールに設置され、台座には吉野の講演を聞いた中高校生から寄せられた5798通の「夢の手紙」が収められた。吉野はこれを「ラバーズの心臓」と呼んでいる。『ラバーズ』周辺では、市民による多くのイベントと共に関連商品も開発され、富山の新しいランドマークとして定着。2023年、「ラバーズ誕生とその後」について綴られたブックレット『Lovers』が、ニューヨーク・メトロポリタン美術館ライブラリーに収蔵、デジタルライブラリーでも閲覧可能である。
2023年11月、イザナギ・イザナミを主祭神とする奥田神社へ、富山駅モニュメント『ラバーズ』の原型塑像を御神体として奉納。奥田神社は式典後より、『結』『叶』をコンセプトとした吉野デザインの『ラバーズお守り』を特別頒布した。2024年5月、宮城県曹洞宗龍淵寺より依頼を受けて、建築家・向田良文と共に、無縁仏のための供養塔を製作。このプロジェクトは、近年増加傾向の社会問題を受けて、「懸命に生きてこられた方が、人生の最後に眠る場所を失うと言う悲しい現実に行く先を示したい」というご住職の想いから生まれた。躯体の構造上、360度彫り上げた彫刻が正面からしか観れなかったため、鏡を入れることで作品と万華鏡の中にいるような効果を完成させた。