「命懸けで作って、最後にライトで失敗されるのは心外です」と訴え続けてきた『悲願のラバーズ像照明修正プロジェクト』ついに完成しました!設置以前より、実に36ヶ月の持久戦、ここまで、辛抱強く私に付き合って関係者の説得にご尽力くださった設置委員会事務局長・牛島屋の武内社長に、心から御礼申し上げます。そして、雨の中、現場作業にあたってくださった富山市建設部の皆さん、業者さん、応援に駆けつけてくださった多くの方々に、心から感謝いたします。
野外彫刻は、太陽光を基準に、上から光が当たることを想定して制作されているのに、日本では『当たっているだけ』の下から煽ったものが殆どです(写真:修正前)。
理想的なライティングでは『ただモノに光が当たっているだけ』でなく、作品の輪郭と造形の凹凸の全てを観る人が認識できるようになり、外から光を当てているにもかかわらず、大理石の彫刻が中から輝いているように見えます(写真:修正後)。
『光は景色を変える魔法です』
私は文句が多いかもしれません(苦笑)。でも「故郷富山に最高のものを届ける」と心に誓っていたので、遠慮なんてしてられませんでした。だって、いつか私はこの世からいなくなって、そしたら誰も『夜のラバーズ像』を完成させることはできなくなってしまうのだから。
野外彫刻の夜間照明がわかっているライティングデザイナーは、そもそも皆無に近く、「アーティストがどんなふうに見せたかったのか」という最終形は『全て光にかかっている』にもかかわらず、なぜこんなにもおろそかにされるのかと言えば、経費の問題とか、行政の都合とか、場所や設備の問題とか、いろいろ理由はあるだろうけど、結局はマジョリティが「ベストな状態を知らない」ということなのだと思います。
だから明確なビジョンを持ったアーティストは、それを訴える力が試され、伝え続ける努力というか、執念というか、根気が必要です。伝え続けていれば、いつかはわかってもらえるかもしれないけど、でも、自分が発信を止めてしまったら、決して目指したビジョンが完成することはないのです。
私がこれを長々と書く理由は、今、同じような問題に直面しているアーティストや行政の皆さんの一助になればと、心の底から願うからです。光とは『最後に作品に命を与えるもの』であり、私たちは、その光の使い方によって、もっと街を楽しく美しいものにすることができます。私はそれを『富山のラバーズ像』で証明したいと思っていました。
3年越しでクリスマスに間に合ってよかったです!
関係者の皆様、ありがとうございました。
MERRY CHRISTMAS TO ALL
FROM MINAKO & LOVERS
2022.12.01